フランスのホテルの格付けには”五つ星”の更に上に”パラス”という称号がある。
パリの名だたるホテルの数々の中、現在パラスホテルは8件。
パリ挙式の際、私は以前から憧れていたパラスホテル”Le Meurice-ル ムーリス-“を選んだ。
20代の日本人夫婦がパラスホテルを訪れてどんな対応をされるか少し不安があった。
第二次世界大戦の時にはドイツ軍の総司令部が置かれていたり、
今はパリコレの会場にもなるようなムーリスは敷居が高くないわけがない。
けれど足を踏み入れてすぐにその不安は消えた。
身構えていた自分が恥ずかしくなる程の素敵なおもてなしで迎え入れてくれたのだった。
最上階の部屋に案内され、高まる期待とともに部屋に入るとハネムーンということで
ピンクのマカロンとシャンパン、そしてバラと手紙がプレゼントされていた。
ベッドのデコレーションは、一日3回ベッドメイキングが入るたびに
AMOURになったりピンクの花びらになったりとその都度喜ばせてくれた。
ウエディング当日、準備シーンの撮影でもフォトジェニックだった大理石のバスルーム。
何より感激したのは窓からの眺め。
ムーリスはチュイルリー公園前のとてもいい立地にあるけれど、
チュイルリー側を見渡す事ができる部屋は限られている。
私は事前にホテルにリクエストを入れていたものの期待せずにいたのだけれど、
案内してくれたスタッフの方が話していた通り、美しいパリの全てを見渡せる部屋だった。
エッフェル塔、チュイルリー公園、ルーヴル美術館、凱旋門。
一つ一つ名所を説明してくれる声が入ってこない程、目を輝かせながらその光景に見惚れていた。
朝食を頂いたのはパリの重要文化財にも指定されている美しい空間で
ミシュラン3つ星を取得したアラン・デュカス Alain Ducasse – le Meurice。
そんな完璧な空間から始まった私のウエディングは、今でも夢だったんじゃないかと思うほど。
ホテルの方に連絡しムーリスのためだけにつくられた可憐な香りのキャンドルを
日本からオーダーしてしまうほど、気づけばムーリスのファンになっていた。
またあの美しいバルコニーからの景色を眺めながら、素敵な一日の思い出にふける日を夢見ている。
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Le Meurice
228 rue de Rivoli,75001 Paris,
Tel :+33 (0)1 44 58 10 10
最寄り駅:Tuileries M1