年末の時期になると毎年頭をよぎる思い出がある。
2013年を迎える瞬間、NYのタイムズスクエアにいた。
年末年始はホテルも航空券も価格が高くなる。予約したのは出発の7か月前、5月のこと。
最終出社日の翌日の早朝羽田発のJAL便を予約した。
ホテルはHampton Inn Manhattan/Times Square Southという立地の良い場所。
カウントダウン終了後の混雑から徒歩圏内で帰れるホテルにすべきと知人から聞いていた。
2012年12月31日、New Year’s Eve当日、10時前に様子を見に行くと既に人が多くお祭りのよう。
日本で年が明けた時間には液晶もこのように。
“HAPPY NEW YEAR! JAPAN/SOUTH KOREA”
なんだか楽しくなり、近くのお土産屋さんでカウントダウングッズを購入。
去年の物とみられる、無料で配られるNIVEA提供の青いハットをかぶっている人たちも。
カウントダウンの14時間前、この時はこの人ごみがワクワクする気持ちを盛り上げてくれていた。
11時頃、NYPD-ニューヨーク市警-も集まって準備をはじめていた。
寒い中、私たちは自ら望みカウントダウンという目標を持ってこの混雑の中にいるけれど、
彼らはこれから何時間も仕事でここにいなければならないなんて。
申し訳ないし感謝すべきなのに、当日はそんな気持ちが生まれるほどの余裕は全くなかった。
少しホテルで休んで、ホッカイロを全身に貼りヒートテックを何枚も重ね、全身防寒で13時頃出発。
でももうタイムズスクエアは規制が始まっていて行列。
ようやくThe ball dropが見える場所にたどり着けたけれど、16時半頃周りの人たちがいきなり動き出した。
遠くで警察が何か言っていたのだけど分からないまま遠い所に追いやられてしまったのだ。
結局The ball dropから数ブロック離れた所のゲート内に入ることになった。
各ブロックごとにゲートに入れられ担当の警察官がいて、私たちの担当は途中でトイレに行きたいと言うと出入りすることもできた。
そこから更に7時間ほど氷点下であろう中でひたすら待った。
途中からはほとんど無言だったかもしれない。諦めようと思う瞬間も何度もあった。
20時半からはPSYやTaylor Swiftなど豪華ゲストのライブがやっていたが、音は聞こえるけれど姿は見えない場所で盛り上がりにもかけた。
どんなに寒くても辛くても耐えていれば時間は過ぎていく。
ついにニューヨークの中心で様々な国籍の人々に囲まれて新年を迎えた。
紙ふぶきが舞うタイムズスクエアは、なんだかとてもキラキラして見えた。
帰り道は聞いていた通りとても混んでいて、15分で帰れるホテルまで1時間ほどかかった気がする。
周りの人達の表情を見るとタイムズスクエアで新年を華々しく迎えた嬉しさか寒さと時間との闘いから解放された喜びからか、みんなとても嬉しそうだった。
苦行を達成したような達成感や周りとの一体感に包まれながら一生の思い出ができた。
もう一度行きたいか?と問われると、間違いなく”No.”
行ってよかったか?と聞かれたら、これは”Yes!”
そんな思い出のタイムズスクエアでのカウントダウン。