上海旅行の楽しみの一つはホテル選びだと思う。
この街では他の街よりもリーズナブルな価格で、ラグジュアリーホテルに宿泊することができる。
せっかくなら、気軽には泊まる事のできないホテルに泊まりたいと思い選んだのが
ニューヨークのThe Plazaや、ロンドンのThe Savoyなどを手がける
FairmontグループのFairmont Peace Hotel – 和平飯店 –
80年以上もの歴史を持つこのホテルは、上流階級の社交場として昔から上海で愛されていたという。
上海への旅行者なら誰もが向かうであろう外灘 -The Bund- に位置しており、
宿泊者以外の観光客もこのホテルを見学に訪れるという、象徴的な存在。
ラグジュアリーで上品な中に、どこかノスタルジックさを感じるこの雰囲気がとても魅力的だった。
フェアモントゴールドグランドルームを予約していた私達は、
1階のレセプションではなく9階のゴールドフロアにあるレセプションでチェックイン。
利用しなかったけれど、ゴールドラウンジでは朝食や軽食を無料で楽しむ事も出来る。
レトロな階段や廊下が素敵で、お部屋にたどり着くまでにどれだけ写真を撮っただろう。
そしてたどり着いたRoom220。
嬉しい事にアップグレードしてくださり、Signature Riverview Suiteに宿泊することになったのだ。
ドアを開けてすぐに思わず歓声をあげた。
なんて素敵なお部屋なんだろう。
上海の五つ星ホテルは、派手でギラギラとした雰囲気のホテルが多かった。
そんな中でフェアモントピースは私の好みであるヨーロピアンテイスト。
クラシカルな品の良さは写真で見る以上にとても素敵で感激した。
このホテルで2番目に広い178㎡という空間は、二人で過ごすにはもったいない広さ。
ウェルカムフルーツとスイーツ、そして嬉しいレターも。
一度も電源を入れなかったけれど、この部屋にはテレビが3つも。
リビングと寝室、そしてお風呂だ。
リビングの隣にはダイニングテーブル。
奥へと進むとキングサイズベッドのある寝室。
バスルームなど全ての空間に生花が飾られていたこのお部屋。
中でも寝室に飾られていたこの綺麗なピンク色のバラがお気に入りだった。
寝室のカーテンをあけて、また歓声をあげてしまった。
上海の絶景をひとり占め。いや、ふたり占め。
これ以上の眺めなんて、どこにもないのではないだろうか。
こんな贅沢なお部屋にいると外に出たくなくなってしまいそうだったけれど、街に出て上海を存分に満喫。
ホテルに戻るころにはもう暗くなっていた。夜空の下の外灘の街並はとても美しい。
ヨーロッパ調の華やかな建物の中、すぐにフェアモントピースの緑色の屋根を見つける事が出来た。
お部屋に戻り、一番に寝室の窓を覗く。
昼間とはまた違い、光を放つ浦東の絶景にただただ見惚れていた。
よく食べ、よく歩いた後はのんびりバスタイムが至福の時間。
寝室の隣にあるドレッサールームを抜けた先がバスルームになっている。
大理石がラグジュアリーなダブルシンク。
アメニティはニューヨーク発のLe Labo、香りはROSE31。
夫婦でこの香りがとても気に入った。
歯ブラシなどのアメニティもしっかり完備。
上海のホテルでは5つ星でも水圧が保証されない、なんて聞くけれどもちろん問題無し。
158cmの私には大きすぎる程ゆったりとしたバスタブ。
実はこのバスタブを楽しみにしていた。
この時代になかなか出会えない、女性の憧れの “猫足” なのだ。
お風呂上りは優雅に紅茶を飲みながら、一日を写真とともに振り返るのも良い。
フェアモントピースでは調度品の一つ一つが高級感とセンスに溢れていた。
気づけばライトアップが消えていた。
季節によるが、22時 or 23時には消えてしまうという。
早起きをする予定だったので、日付の変わらないうちに眠りにつく事に。
その理由は・・・
浦東にたたずむビル群の背景に登る日の出を眺めるため。
上海は “空気が汚い” とか “人が多すぎる” などマイナスなイメージも多いかもしれない。
けれど私はたった2泊3日の滞在で
美味しい物を食べ、夜景に心を躍らせ、そしてこの美しい太陽からパワーをもらうことだって出来た。
上海はきっと自分次第でその楽しみ方を無限に大きくできる街。
私はこのFairmont Peace Hotelを選んだことで今回の上海旅行の素晴らしさが何倍にも増したと確信している。
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20 Nanjing Road East, Shanghai, China, 20002
Tel.:+(86) 21 6321 6888