ニース発のCarチャーターで巡った4つの村のうち、
私が最も気に入ったのがBormes-les-Mimosas ボルム・レ・ミモザ。
サントロペの曇り空が嘘のように、この村では美しい青空と元気いっぱいのブーゲンビリアが迎えてくれた。
ボルム・レ・ミモザは冬にミモザが咲き乱れる事で有名な村。
ミモザ街道のスタート地点でもあり、2月には村が華やかな黄色に包まれる。
ブーゲンビリアも木々も家の屋根さえも、太陽の光を浴びて喜んでいるように見えた。
村の入り口付近には観光客向けのショップも多く、お土産を買う事も出来る。
でも少し進むだけで、とても静かな小道へと繋がっていた。
ミモザの名がつくこの村だけど、夏のブーゲンビリアの美しさも負けていないほど素晴らしい。
これほど花の彩りと香り豊かな村で暮らす人々は
どんな五感を持っているのか気になる程、どの小道も花で溢れていた。
“花のトンネル”なんて見た事があっただろうか。
思わずどんな表情をしているのか見てみたくなった。
もちろん、花を採るような事はしていない。
バスケットからチラリと見えているピンクのブーケは相変わらず、ニースのマルシェで買って束ねた物。
この村では、ブーゲンビリアが視界に入らない所を探す方が難しい。
この頃気温はずいぶんと高くなっていた。降り注ぐのは逃げられないような強い日差し。
けれどそんな事を気にする間もない程、夢中で階段を上り下りし
村の隅々までを目に焼き付けたいと思う程この村のトリコになっていた。
ブーゲンビリア以外に、思わず足を止めて見入ってしまったのがこの涼しげなブルーの花。
とても小さな村なので1時間もあれば村じゅうを見る事ができそうだけれど
この村を大好きになってしまった私にとって、時間はいくらあっても足りなかった。
あっという間に、この日の最終目的地であるAix-en-Provenceへ出発する時間。
いつかミモザに包まれたこの村に会いに、
そしてブーゲンビリアの季節にはこの村で夕陽も星も朝日も見られるように。
必ずまた帰ってくるねと心の中でつぶやき
何度も何度も振り返りながら、この美しい村を “目” と “心” に焼き付けた。
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Bormes-les-Mimosas
Toulonより BUS#7801 or #8814 にて1時間〜1時間半ほど、BORMES LE PIN駅下車後 徒歩30分程度(登り道)
時刻表はVarlibサイトにて確認