日本中、いや世界中から人が集まる美しい秋の京都。
紅葉を愛でるだけでなく、やっぱり大好きなカフェ巡りも満喫した。
その中で、感動するほど美味しかったものがある。
八坂神社の奥にある円山公園内にポツンと佇む、一軒家の “茶菓円山”
10名程でいっぱいになるような、カウンターのみの落ち着くスペース。
和の空気があふれていて、京都らしい所。
ほとんど満席に近かったけれど、待つことなく案内された。
丁寧に一つ一つ提供されることもあり、20分ほどお待たせするとのこと。
お着物で長い時間歩いていたこともあり、ちょうど良い休憩時間になった。
目の前に差し出されたのは、お目当ての ”栗のみたらし団子”
お団子からは湯気が出ていて、早く食べたい気持ちが溢れた。
そのせいか、ピントが合っていない一枚。
こんなにツヤのあるみたらし団子は、初めて。
サッと写真を撮り、すぐにスプーンでお団子の中をのぞいてみると…
ホクホクの栗が顔を出した。
一口食べて、2人ともおもわず声が出た。
これは美味しい。
もちもちのお団子に、しっとりとした自然の甘みのある栗。
みたらしのタレはとても上品で、忘れられない味。
付け合せのさつまいもチップスも、これだけでオーダーしたい程の絶品だった。
脂っこさはなく、さつまいもの甘みと塩味のコラボレーションがちょうど良い。
添えられた山椒をつけると味ががらっと変わるのも、良い。
帰る頃には太陽が沈み、ネイビーブルーになりいく空が広がっていた。
お着物を着ていたからか、お店の方が外までお見送りをしてくださり
お写真お撮りしましょうか?と声をかけてくださり、心まで温かくなった。
美味しいと思うものに出会うことは、そう珍しくはないけれど
食べていて”しあわせ”を感じることは、めったにない。
帰り道、八坂神社の境内にこんなにも人が少ない場所があるという事を、初めて知った。
歩きながら、まだ美味しかったお団子のことを考えていた。
茶菓円山は、カウンター席だけの小さなスペースなので他のゲストのお話も良く聞こえる。
お店の方との会話から、常連の方が多いようだった。
美味しいだけでなく、配慮もありながら押しつけがましくない接客が
とても居心地が良かったので、私も京都に住んでいたら通っていたに違いない。
さっきまでの落ち着いた空間が嘘かのように、人通りの多い四条通りへと戻ってきた。
お着物を脱ぎ、そろそろ東京へと戻る時間。
間違いなくこれが、今回の京都旅で最も感動した味。
栗が好きな両親にも教えてあげようと思い、いつまで栗のみたらし団子を提供する予定か尋ねた所
「栗が美味しい時期なので、具体的には決まっていないけれど11月中はあるかな?といった所です」とのこと。
何年も秋の京都を訪れているから、来年は桜の季節に京都旅行をしようと思っていたのだけれど
その決意がすぐに揺らぐ程感動した、秋限定の栗のみたらし団子。
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京都市東山区円山公園内
TEL:075-551-3707
営業時間: 水~月 11:00 – 19:00 火:OFF