温かかった2018年の秋。
11月中旬の京都で色づいている紅葉を見るには、少し市内中心部から離れた場所に行く必要があった。
お目当ての神護寺から、次の目的地のカフェに戻るためにバス停へと向かったのだけれど
次のバスまで30分も待たなくてはならなかったので、バス停の目の前の高山寺に寄り道。
奈良時代である774年に開創、1206年に再興と、歴史深い世界遺産の高山寺。
毎年紅葉の時期は入山料がかかるとの事だけれど、今年はかからなかった。
というのも、この夏の台風の影響で、境内の一部が通行止めになっているからのようだった。
東京で暮らす私は、この夏の台風の爪痕を肌で感じる機会が今までなかったけれど
自然の驚異を改めて実感した。
色々なことを思いながら、石水院に到着。
鎌倉時代から名をかえ、役割をかえ、場所をかえて残る石水院。
この写真は、見覚えのある人もいるのではないだろうか。
色づく木々を背景に、善財童子の像のシルエットが美しかった。
まだまだ紅葉は始まったばかりだったけれど、
気持ちの良い緊張感と山の中の美しい空気感が、心地よい。
大自然を眺めるのも好きだけど、綺麗ねと言いながらうっとりしている人々を見るのも好き。
そろそろバス停へと戻る時間。
後ろ髪をひかれつつ、しっかりと目に焼き付けた。
高山寺の中の石水院だけしか見ることはできなかったけれど、それだけでも満足感は高かった。
10分ほど前にバス停に到着し待っていると、どんどんと列が伸びて行ったので
座りたい方は早めにバス停で待っている方が良いと思うけれど
タイムスリップしたかのような美しく歴史ある高山寺を覗くのも、捨てがたい。
ヨーロッパを訪れるといつも、世界史をまた学びたくなるし
京都を訪れるといつも、日本史をまた学びたくなる。
後ろ向きではなく、過去を振り返ることが好き。
改めてそう感じさせてくれた、高山寺。
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京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
拝観料: 石水院 800円
拝観時間: 8:30〜17:00