先日、カフェと私。の記事に書いた “ずっと訪れたかった京都のカフェ”
WIFE&HUSBAND をようやく訪れることができた。
“好き”に順番を付ける必要なんてないけれど、一番好きなカフェはどこか聞かれることがたまにある。
今まで迷っていたけれど、間違いなくここがわたしの一番。
憧れの空間で出会ったのは、それはそれは素敵なご家族。
“家族とは” とか “人生とは” 、なんて考えてしまう程の影響力がそこにはあった。
憧れの先輩に会うようなドキドキとわくわくの気持ちを抱え、最寄りのバス停に到着したのは16時頃。
この街には、私の知らない鴨川が広がっていた。
河原町あたりでよく見る鴨川とはちがう、広い空の下にのびのびと広がる鴨川。
逸る気持ちとともに、歩くスピードも速くなったけれど、ふと周りを見渡すと目に入るのは穏やかな紅葉。
そして憧れのカフェが目の前に。
外観や内装が素敵だから、「一番好きなカフェ」なのかというと、そういう訳ではない。
アンティークの木の温もりやバスケットなど確かに素敵だけれど
その奥にあるライフスタイルやフィロソフィーが、私の憧れ。
予想通り満席だったので、外のWaiting Spaceで待つことに。
寒い中ありがとうございますと気遣って頂き、20分ほどで店内に入ることができた。
一枚目は、10度以下の外とぽかぽかの室内の寒暖差でレンズが曇ってしまった。
アクシデントでもあるけれど
そんな瞬間を思い出すことができる一枚が、実は宝物になったりするもの。
店内には4人が座れるカウンター席と、2人がけのテーブルが2つ。
6人組の外国人観光客の方々と交代で店内に入ったので、選び放題の中、一番奥のこの席を選んだ。
WIFE&HUSBANDでは、アンティークのお皿やカトラリーなどの販売もしている。
“十数年ほど昔、素敵だなと思うものを見た時の心が跳ねる理由が二つあると気付きました。
一つは、今まで見たことのないような刺激があるものを見たとき、
そしてもう一つは、物の中に美しさを見つけたときでした。”
Websiteに書かれているこの言葉を見た時に、はっとした。
そしてこのカフェを訪れ、気づいたことがある。
わたしは「空間の中に美しさを見つけたとき」、とても幸せな気持ちになるということ。
人によってこの美しさの中身は様々だと思うけれど、わたしは”温かさ”や”ストーリー”を美しいと感じる。
まさに、私が写真を撮る時に大切にしているものたち。
お二人が素敵だと思う物を集めているという店内。
バスケットにスーツケースなんて、まさに、わたしの好きな物。
どこまで魅了するんだろうと、思わずため息がこぼれた。
朝からパン一つとスコーンしか食べていなかったので、ホットのカフェオレとトーストをオーダー。
待っている間に目についたこのポスター。
“The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.”
“真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることである。”
何度もパリを訪れて飽きないの?と質問されたら、この言葉を返したい。実際には、しないけれど。
マルセル・プルーストの言葉を調べている間に、カフェオレがやってきた。
外は寒かったので、これで温まってくださいね、との言葉に、既に心は温まっていた。
そして、すぐに山型のバタートーストも。
のんびり食べてくださいね、と言われて初めて、閉店まで10分しかないことに気がついた。
外で並んでいる間に、オーナー夫妻の可愛い娘さんが帰宅している所を見ていたので
ぱっと写真を撮り、味わいつつもすぐに食べてしまった。
お二人が大切にしている”家族の時間”を、少しでも邪魔したくなかったのだ。
ずっとお二人に話しかけたかったのだけれど、店内には他のお客様もいて
空気を壊してしまわないかと思い、我慢していた。
帰り際にやっと少しだけお話をさせて頂き、さらにWIFE&HUSBANDが好きになった。
“人柄”は装うことは出来ない。
まさにここは私にとってDestination Store -目的地となるお店-
次は一人ではなく、大切な人とピクニックをしに行けたら良い。
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京都市北区小山下内河原町106-6
最寄駅:地下鉄 北大路駅下車 徒歩4分 / バス 烏丸北大路下車 徒歩3分
営業時間: 10:00-17:00 (ピクニック3:00LO、カフェ4:30LO)休:日・月・木 その他不定休有