南フランスを訪れたのは2017年、夏のこと。
母と二人で、本当に素敵な時間を過ごした。
想いがつまりすぎてなかなか記事を書く事が出来ずにいたけれど、ようやく再び書き始めることに。
そこでまず驚いたのは、220年以上もの歴史があるカフェLes Deux Garconsが閉店していたという事。
2019年11月末、火事により数々の芸術家が愛したこのカフェが炎に包まれた。
今はこの姿はないけれど、”日記”という意味で綴っておこうと思う。
憧れていた南仏のラベンダー畑を訪れた日の朝、私はたしかにここにいた。
Aix-en-Provenceでは、1泊するだけだった。
何の情報も調べていなかったので、ニースでチャーターしたドライバーさんにオススメを聞いた。
Aixの象徴でもある歴史的なこのカフェが早朝から営業していると知り、OPEN時間に7時に訪れる事に。
ノースリーブではすこし肌寒いかな、という気候の朝。
私は迷わず、テラス席に腰掛けた。
フランスでよくある、Petit déjeuner(朝食セット)をオーダー。
前日にニースの花市場で購入した芍薬も一緒に撮影。
パンが特別美味しいというわけではないけれど、観光客の私にとっては気分の上がる朝食だった。
OPEN直後で私たち以外に3人しかゲストがいなかったため、店内も写真を撮らせてもらった。
実際はもっと暗いのだが、歴史を感じる美しい空間が広がっていた。
この椅子にピカソも座っていたのだろうか、なんて妄想が駆け巡る。
パリのノートルダム大聖堂の火事でも感じたが、形あるものはいつか壊れる。
思い出を忘れる事のないよう、心だけでなく形に残しておきたくて、私はいつもシャッターを切っている。
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Les Deux Garcons
53 Cours Mirabeau 13100 Aix en Provence
2019/11/30 火事により閉店