以前から気になるアイス屋さんが、左岸にいくつかあった。
その中から今回選んだのは、Il Gelato del Marchese。
美しいインテリアと、こだわりのつまったジェラートを提供するお店。

テイクアウトの他、サロン・ド・テも併設している。
店内は大理石に猫足のテーブルなど、ヨーロッパらしいテイスト。

朝から長い時間歩いていたので、休憩も兼ねて店内で食べる事に。
“イートインならこれを頼もう”と決めていたメニューがあった。
ミニサイズのアイス6種類のセット。

数ある種類の中から好きな6種類を選ぶ事が出来る。
可愛い色のものを選びたいという気持ちもあったけれど、結局は味重視でチョイス。
この通り、地味な色が多めになった。
コーンの下からアイスの上までがiPhoneくらいの大きさなので、あっという間に二人で完食。
どれも濃厚で素材の美味しさが感じられる、上品な味わいのアイスだった。

可愛いミニサイズのアイスを見て、近くに座っていたファミリーのお父さんが話しかけて来た。
『娘が写真を撮りたがっているんだけど良い?』
もちろん!と答え、そこから会話が始まった。
『どこから来たの?』
『日本です。』
『コンニチワ!僕は昔、多分君たちがまだ生まれてない頃に日本を2ヶ月旅したんだよ。日本のどこから来たの?』
『東京です!2ヶ月も?長旅ですね!』
奥さまが旦那さんに『アイスが溶けちゃうでしょ、そんなに話しかけ続けないであげて!』と止めるまでずっと、嬉しそうに日本での事を話してくれた。
この時はまだ、ヨーロッパではコロナウイルスの感染者がほとんど出ていなかった。
アジア人差別があると言われていて、アジア系の人は街中でコロナと叫ばれるといった話も聞いていた。
少しドキドキしながら訪れたパリだったけれど、私たちは一切差別を受ける事がなく、むしろ優しくしてくれる人が多く、嬉しい瞬間がたくさんあった。
あれから1ヶ月ほどが経ち、ヨーロッパは外出禁止になるほど感染が広がっている。
もちろん日本も感染者が増え、世界中が未知のウイルスと経済不況の不安に包まれている。
旅が出来ないのはもちろんのこと、普通の生活を送る事が出来ない日々にストレスを感じている人も多いはず。
状況打破にどれだけの時間を要するかはわからないけれど、絶対にいつか、また旅を出来る日々が訪れる。
世界中の人々がまた、国境を超えて旅を出来る日々が戻ることを願いながら
日々手洗いを徹底し、自分の人生を歩き続けようと思う。
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3 Rue des Quatre Vents, 75006 Paris
Tel.: +33 (0) 1 46 34 75 63
最寄り駅: Odéon M4 M10
営業時間: 日-木 13:00–20:00 金土13:00-21:00