2年半ぶりに、パリへ。

2022年7月、約2年半ぶりに大好きなフランス パリへと旅をした。

会社で「夏休みはどこに行くの?」と聞かれた私は「パリで失った2年半を取り戻して来ます」と、恥ずかしげもなく言い放った。

9泊11日の旅を終え帰国した今思うのは、人生にはやっぱり旅が必要だということ。


以前と同じ感覚で海外旅行を楽しめたかというと、答えはNO。

旅に出る前の時点から、楽しみだという気持ちだけではなく不安や戸惑いがあった。

自身の体調次第では直前で渡航をキャンセルする可能性もあったので、事前に旅のプランニングをするモチベーションも湧かなかった。

だけど実際に現地についてエッフェル塔を目の前にした時、大袈裟ではなく涙がこぼれそうになった。


この2年半に経験した様々な気持ちが溢れてきたのだと思う。

たくさん我慢したこと、失ったもの、終わりの見えない日々、周りの人と比較して感じたもやもや、小さくなってしまった自分の感情の幅。

そんな薄暗い日々に耐え、モチベーションを完全に失いながらも仕事を続け、こうしてまた大好きな街に戻ってこれたということがただただ嬉しかった。

そんな自分を誇らしく思う気持ちもあったのかもしれない。

この旅で何度も “自身の心が動いている” ということを感じた。

それは、生きているということを実感する感覚に似ているかもしれない。

この感覚を得るために、私は今までもこれからも旅をするのだと思う。


私よりも早く海外旅行に出かけている人もいれば、まだ行きたくても行けない人もいるだろう。

物事の考え方や身体の状態、働いている環境や周囲の人々の目など、それぞれ様々な理由がある。

決して「自由に海外を旅できる日々」は戻って来ていない。

けれど私の暮らす環境では、海外が遠い存在ではなくなっていた。

日本帰国後の隔離ルールが緩和してから海外出張に行く人たちが増え、私が働く部署からも毎週誰かしらが欧州やアメリカ等に行っていた。

プライベートでの海外渡航について制限無しと明確に通達が出ていた点もありがたかった。

少しずつ日本での考え方も変わってきていると感じるので、より自由に海外へ旅に出られる環境になることを祈っている。


誰かのためになる情報は何一つない記事となってしまった。

けれど、大好きな街へ旅をするということがどれだけ自分にとって大きな意味のあるものか実感した今の気持ちを記しておきたかった。

旅に出られる幸せを感じながら、そして何もかもが当たり前ではないということを忘れずに、また日々を生きていこうと感じた20回目のパリ旅行。



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